発車メロディーの話
これには、やはり録音機の進化が背景としてありますね。
つい最近まで会議用のメモ録程度の品質だったデジタルメモリーレコーダーが、いまやCDに匹敵する音質で録音できるようになりました。ポータブルDATなどに比べ比較的安価な装置で手軽に生録が出来るようになったのです。
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駅の発車メロディーはずっと変わらない、と思っているとじつはそうでもなくて、大宮駅の2番線のようにコロコロと変わることがあります。
大宮に限りませんが、けたたましい音を出す鉄製のベルに代わって設置された単調な電子ベルの音が味気ないというので、耳馴染みのいいスタンダードナンバーや童謡を流すようになったものの、著作権の設定された曲を発車ベルに使用するのはいかがなものか、という風潮が次第に支配的になり、オリジナルメロディーによる「ありもの」の中から選んで使用するようになったのが90年代後半。その発車メロディーを録音して回る人たちが現れたのがこの時期でした。録音機はDAT、若しくはMD、DCC。
じつはあの発車メロディー、テイチク制作の分はCDで発売されてたりするんですよね。でも、現地に行かないと聞けないメロディもたくさんあり、そこが趣味たる所以なのでしょう。
大宮駅はホームが多いこともあって、発車メロディーの新作が出るといち早く採り入れたりしていましたが、合併でさいたま市が誕生した後は市の歌である『希望(ゆめ)のまち』を1、2番線の発車メロディーとして使い始めました。1番線は今でも使っていますが、2番線のメロディは早くも変更されていまして(^_^;)、10周年を迎えた地元サッカーチーム、大宮アルディージャの応援歌『Vamos Ardija』が流れています。いいメロディなのですが、浦和駅で流れる、浦和レッズのあれに比べると頭の中で回る度合いは負けてるような気がします。
特徴のある発車メロディーとしては、他に高田馬場と新座の『鉄腕アトム』(それぞれ別バージョン)や水道橋のジャイアンツ応援歌、駒込と武蔵小金井の『さくらさくら』等がありますが、上りと下りでバージョンが違ったりしますので、コンプリートするのはなかなか大変そうです。
しかも発車メロディーというのは車掌さんがいい感じにワンコーラス鳴らしきってくださらないと録音成功とならないため、満足のいくまでひたすら粘る忍耐力も必要ですね。
発メロつながりで、今年3月から西武新宿線の上井草駅で『翔べ!ガンダム』の最初(上り)と最後(下り)が発車メロディーとして流れていますが、西武線の場合、発車ベルは本来5秒程度。せっかくの名曲もかなり駆け足のアレンジになっており、ややモッタイナイ感じです。全部サビみたいな曲ですから、優に4パターンは取れます。JRの駅で流しませんかねえ?
話を戻しますが、大昔に廃れたあのジリリリリ...と鳴る鉄製のベル、大宮駅9番線でまだ現役で使われていることは、利用者には周知のところですよね。録り鉄の皆さん、あれも一丁トライしてみては如何でしょうか。レベルをうんと下げないとマイクが壊れるかも。ご用心。